
カミキリムシの幼虫
時々樹木の根元を見ると切ったり削ったりしていないのに、なぜか木くずが落ちていることがあります。特にバラやモミジ類、シイノキなどの雑木類などに多く見られます。
これは一体何でしょうか?
それは、おそらくカミキリムシの幼虫が樹木の幹の中に住み込んでいるからでしょう。
カミキリムシは春先から秋にかけて木の幹に卵を産みつけ、孵化した幼虫は幹の中で木の芯を食べて過ごします。
幼虫は木の幹に開けた穴から木くずを排出し、蛹〜成虫になり、大きな穴を開けて出て行きます。
その時に開けた穴がまるで鉄砲玉が打ち込まれたように見えるので、テッポウムシと呼ばれています。
テッポウムシを放置しておくと木の芯がどんどん食べられ、形成層も破壊されるので、段々と元気を失いしまいに枯れてしまいます。
ではどのように鉄砲虫を駆除できるでしょうか。
駆除の方法
木の根元に木屑が落ちている場合、下の写真のように、その上の幹のどこかにテッポウムシが木くずを排出している穴があるはずです。

カミキリムシの幼虫のあけた穴と排出した木くず
それを突き止めて、そこから殺虫剤を入れるのが最も効果的な対処法です。
主に下記の2種類を使用してカミキリムシを駆除することができます。
①テッポーダン
木の幹の中に殺虫成分を含んだペレット状の薬品を穴に注入し、さらにチューブに入っている接着剤で穴を埋めます。
ただし鉄砲玉が打ち込まれたような大きな穴は大抵の場合もうすでに成虫になって出て行ってしまっている可能性が高いので、現時点で木くずが出ている穴に注入するようにしましょう。
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②住友化学園芸 殺虫剤 園芸用キンチョールE
こちらは木くずが出ている穴に直接スプレーの先端を差し込んで、薬品を注入する方法です。
スプレーの先端には上下に噴霧する小さい穴があいているため、幹の穴に差し込むと、テッポウムシがいる巣全体に薬品が行き渡るので、殺虫効果がかなり高いです。
穴は何箇所もあいている場合が多く、中でつながっていると、噴霧した薬品が別の穴から出てきます。
できるだけ木屑が出ている穴全てに殺虫剤を注入するようにしましょう。
この薬品の場合は穴を塞ぐ必要がないので大変簡単で便利です。
植木屋さんの多くはこのスプレーを常に道具箱に忍ばせて必要な時にいつでも使えるようにしています。
手間がかからないので大変お勧めです。
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まめにチェックしましょう!
大切にしているバラやもみじが枯れてしまうのはとても残念です。
すぐに見つけて駆除できるなら、植物は元気な状態を保てます。
定期的に株元に木くずが落ちていないかチェックして、処置が必要な場合はすぐに行ってあげましょう。